おもしろい話⑥友人Hが、本州最北端の高校(注1)で教師をしていた時の話。修学旅行の引率で京都・大阪方面に出かけることになった。友人H「朝7時にバスが出るんで、6時30分には学校集合なわけよ。なのに夜から大雨降るは、寝過ごしやせんかと思うと却って寝られんは、もうさんざんでさ」 H「案の定、目覚まし止めちゃってて、ハッと気付いたら6時15分!タクシーはなかなか来ないし、イヤー焦った焦った」 ワタシ「r(-◎ゝ◎-)ほおう」 H「それでも、新幹線乗継ぎで上野駅から東京駅まで山手線に乗った時(注2)は面白かったなあ。普段、あんだけ言うこと聞かない連中が、妙におとなしいんよ」 H「お前らどうしたって聞いたら、先生、乗り過ごしたらどうすればいい?だって。なんか急に可愛くなっちゃって」 ワ「教師冥利の瞬間というヤツか」 H「そうそう。で、京都について。遅い食事して。そのうちに夜が来て。消灯の前の点呼の時間になったわけよ」 ワ「おおー。点呼ねー。懐かしー」 H「まあ、授業の前に廊下でバヤバヤしてる(注3)連中の首根っこ掴んで、ほれ、さっさと入れ、入らんかなんて、日常的にやってるからなあ。まあいつもと同じっていうか、宿に無事に着いた安心感っていうか、きっと緊張の糸が途切れてたんかなあ」 ワ「・・・・何かあったん?」 H「いや、それがさー。そんな感じで点呼取りに行ったら、女生徒がクスクス笑うのよ。部屋の中にいる連中もなんかゲラゲラ笑うのよ。(まさか社会の窓が?)なんて焦って下を見たんだけど、別に何でもないし、もーワケわかんなくてさ」 H「で、聞いたわけよ。お前ら何がおかしいのってさ」 ワ「そ、それで?」 女生徒「だって先生、今、教室に入れって言ったもーん」 ・・・・と嬉しそうに語るH(注4)のことを「良いヤツだなー」とワタシは思った。 注1 青森県立大間高等学校。大間町・佐井村・風間浦村の一町二村の熱い要望で設立された普通高校。学年3クラス制で全校生徒は約300人。男女比は4対6ぐらいかな。併設されていた定時制は、平成14年秋、惜しまれつつもその役割を終えた。 注2 当時、東北新幹線はまだ、東京駅に乗り入れていなかった。 注3 「ウロウロ」という意味の津軽弁。けど、南部でも下北でも通じてたなー。 注4 こんなん、自分の体験談でなかったら変だよねー。(≧∇≦)ぶぁっはっはっ!! ジャンル別一覧
人気のクチコミテーマ
|